学校教育について

学校教育について

『知(賢さ)の子育ては学校の勉強を利用する』まずこれは基本です。ただし現在行われている学校教育にはいくつか懸念点もあるので、ここで紹介しておきます。


学校教育の理念

『知識が人を育てる』これが我が国の学校教育がかかげる理念です。実は心の子育てと同じく、学校教育の本来の目的も、子供の人間性の向上です。そして学校教育は『学習というアプローチ』で、その実現を目指して作られています。ただ、学校の環境はある意味特殊なので、その中で子供の心の成長に期待できる部分はかなり限定的です。『子供の心の成長させる要素は、学校より家庭のほうが圧倒的に多くある』これは親なら必ず押さえておくべき点です。


学校教育の問題点

学校教育の問題点といえば、やはり子供が『成績』という形で評価されてしまうところでしょうか。学校の授業を心の成長につなげるためには、子供が教科書の内容を興味を持って理解する必要があります。しかし学校の勉強には『テストで良い点を取るための作業』というフィルターが常にかかってしまい、その邪魔をしています。また可能なら、学校でも大人が子供一人一人を個別に観察し、必要に応じて細かくケアしてあげることが望ましいのですが、先生方の人数に制限がある以上それは不可能です。

また、私としてはこちらの方が問題だと思うのですが、学校で子供たちは、クラスの中でバランスを取るために多くの労力を使っています。自分のことより、まわりのクラスメートからどう見られているのかを、いつも気にしている状態です。みなさんも覚えがあると思いますが、子供だからと言って学校の中では、そこまで無邪気でいることはできないのです。

『集団の中で自分を取り繕う』それ自体は決して悪いことではありません。むしろ人生では必要なスキルです。しかしそれは子供の心の動きや感受性を少なからず縛ってしまう働きもしています。

学校教育が言うように『知識が人を育てる』ためには、素直に感じ、自由に発想し、ストレートに表現できる環境が理想です。しかし学校では、まわりのクラスメートの存在がそれを難しくしています。

学校は家庭では得られない様々な経験を与えてくれる場所です。それは間違いありません。しかし同時に子供の心を縛ってしまう制約も多いのです。これは親ならしっかり理解しておくべきでしょう。『学校を基準に子供の成長を考える』これは危険です。やはり子供を育てる中心は家庭であり親であって、その上で、学校もうまく利用するくらいの気持ちで向き合っていくべきだと思います。

→ 知の子育てと心の子育て


必要以上に学校に期待してはいけない?

学校教育をうまく利用できるかどうかは家庭側の意識次第